Beyond the Silence

Sound of Science

Rocky Mountain High

*非常に長く写真も多いので、高速回線+時間のあるときにお読み下さい。

 

留学生活最後の旅行先は、半年以上前から計画・手配していたカナディアンロッキー。こっちでは1か月近くバカンスを取るのが一般的で、5泊6日だというとどうしてそんなに短いのかと驚かれる。帰国直前で実験が忙しくなることが予想されていたので、6日間でも長すぎるくらいだ、と思いながら空港へむかった。

 

今回はエアカナダに初めて搭乗。北米ではユナイテッド航空と並ぶStar Alianceメンバーの航空会社で、安全性やサービスなど世界的に評価が高い。エコノミークラスを3席、若干の追加料金を払って少しシートピッチが広いものに変更した。日本航空のクラスJみたいなものかな。

1席あたり40ドルと決して安くはなかったけど、つたい歩き全盛期の子がいる我が家にとっては大正解であった。足元に歩けるスペースがあるだけでストレスが随分軽減される。どの家も同じことを考えるようで、周りはよちよち歩きの子がたくさん。周囲の大人の視線が温かいのが、日本との大きな違いだろうか。

行きの機材はエアバス社のA321、帰りはB787-8。行きのPreferred sheatはただ縦が広いだけだったが、B787はいわゆるプレミアムエコノミーのシートだった。縦も横も広くて快適。・・・下の子の絶叫を除いては*1

 

 iPadは上の子に取られてしまったので、BGMは心の中だけでw

Rocky Mountain High

Rocky Mountain High

 

f:id:aurora3373:20160721035923j:plain

着陸直前のアルバータ州最大の都市カルガリー (州都はエドモントン)とロッキー山脈を子供の頭越しに望む。高校の時に地理で習ったアサマの麦畑 (カナダの穀倉地帯は西から順にアルバータサスカチュワン・マニトバの各州)、が示す通り、市街地以外はほとんど農地。黄色は菜の花なのかな。

 

f:id:aurora3373:20160730071447j:plain

ロッキーの観光拠点は、カルガリー国際空港から車で1時間半ほどハイウェイを進んだところにあるバンフBanff。今回はBudgetでレンタカーを借りたのだが、半年前から早割で予約していたので憧れの?SUVにコンパクトカー価格で乗ることができた。日本にいた時はインプレッサ、いまもカローラに乗っているしセダン以外あり得ないと思っていたが少し考えが変わったかも。

 

f:id:aurora3373:20160721070946j:plain

前半の写真は今は亡きNikon D40、後半はiPhone SEで撮影している。ハイウェイを北西へ1時間ほど進むと山が近づいてくる。カルガリーの標高からして既に1000mを超えているので空気が薄い。

 

f:id:aurora3373:20160721091533j:plain

Banff市内。観光地らしく車も人も高密度。標高1,383m。

市街地から少し離れたDelta Banff Royal Canadian Rodgeという所に宿泊した。Delta系列だけあって、こじんまりとした小さな宿だが清潔で快適だった。

Banff Avenueという目抜き通りの他はほとんどの通りに動物の名前がついている。Bear St.やFox St.など。Banff Avenueを突き当たりまで歩いて、ボウ川Bow riverを越えるとCascade gardenという公園があり、そこからBanff市街を振り返った眺め。

f:id:aurora3373:20160721100323j:plain

 

公園はこんな感じできれいに整備されている。

f:id:aurora3373:20160721104125j:plain

 

しばらく子供を公園で放牧した後夕食。アルバータ牛のステーキを食べたかったので、「歩き方」にも載っている「Maple Leafs」へ。2階席に通されたがエレベータがなく、ストローラーを担いで上がった。

f:id:aurora3373:20160721115355j:plain

AAAアルバータ牛のフィレ。味は70点といったところ。カナダはアメリカよりは食事が美味しいが、ここもまずまずの味だった。料理の写真を撮るためにわざわざ単焦点レンズも持参した。

 

f:id:aurora3373:20160721230220j:plain

ロッキー観光のメインは山と湖。小さい子連れの我が家には本格的な登山は不可能なので湖コース。有名どころには9時頃までにはバスツアーが殺到してごった返すし駐車場が一杯になるので、5時に起きて7時半に湖に着くように行動。東海岸と2時間の時差があり、早起きは苦では・・・あった。

Banff市内からだと湖観光の拠点となるルイーズ湖Lake Louise周辺まで1時間半ほどかかる。ハイウェイではなく野生動物と出会う目的で併走する旧道Bow Valley Parkwayを通った。

 

f:id:aurora3373:20160721225644j:plain

f:id:aurora3373:20160721232449j:plain

鹿の子供、そしてグリズリーに遭遇。たくさん車が路駐していると動物発見のサイン。85mm望遠でおそるおそる撮影したが、車から降りて10mほどまで近づく猛者もいた。この熊は木の実を食べていた。いちど人を襲った熊は繰り返すので射殺されるらしい。

 

 

向かった先は・・・モレーン湖Moraine Lake。一番有名なのは多分Lake Louiseだと思うが、そこは後回し。昔なら大興奮していたであろうワインディングの山道を、Boxer engineとAWDの軽快なフットワークで進むと、10 peaksがお目見え。この麓にMoraine Lakeがある。

f:id:aurora3373:20160721234440j:plain

8時前の到着とあって駐車場はガラガラ。とは言え何台か帰りの車とすれ違ったし、先客は15台くらい停まっていた。

5分ほどトレイルを上ると・・・朝日に照らされた湖。もう少し経つとカヌー等で湖上に繰り出す人々が現れ出すので、誰もいない湖を撮るなら朝一番しかない。

f:id:aurora3373:20160722003307j:plain

 

湖畔にはTripAdviserなどでは非常に評価が高いロッジ、Moraine Lake Rodgeがある。最初検討したが、小児の宿泊ができないので諦めた。実際みてみるとそれほどでもなかった。ただ夜の星空などは、周囲に何もないので素晴らしいだろうと思われる。デリで朝食を買って食べた。全然人を怖がらないシマリスが狙っていた。このロッジの周辺にも散策路があり、駐車場が近いので子連れや足腰の弱い方でも楽しめる。

f:id:aurora3373:20160722012835j:plain

 

この湖に行くことが今回の旅行の目的のひとつだった。最初の日は雲が多かったので、結局3回行くことになった。

f:id:aurora3373:20160724072621j:plain

これはiPhone SEのカメラで別の日に。HDRがかなり優秀で、目で見た感じとあまり変わらないダイナミックレンジの写真が撮れる。旅行5日目の朝が快晴だった。完全に天候に左右される観光地で、1週間丸々雨だったとかいう話も聞いていたから、晴れてよかった。

 

時系列を戻すと、他の有名どころの湖は

・Lake Louise (3)

・Peyto Lake (1)

・Emerald Lake (2)

・Bow Lake (2)

などなど。横の数字は訪問回数。

 

この日はLake LouiseとジャスパーJasperを結ぶ Ice Field Parkwayを北上し、ペイトー湖Peyto Lakeまで足を伸ばした。氷河から流れ込む石灰成分によってターコイズブルーに輝く湖。駐車場から15分ほど、10kgの抱っこ紐を抱えて急斜面のトレイルを上るのはさすがにしんどかった (ので1回しか行ってない)が、感動的な風景だった。

f:id:aurora3373:20160722043923j:plain

                         ↑

この辺に降りられるので、ここで写真を撮る人たちがたくさんいた。頼まなくても向こうから写真撮ろうか、と言ってくれる人が多くて助かる。撮るからうちらの分も撮って、っていうやりとりも何度かあった。

同じ道沿いにボウ湖Bow Lakeもある。こっちは車ですぐ近くまで行けるのと、ガイドブックに載っていないのであまりメジャーではないけど実はすごく綺麗なのでオススメ。

f:id:aurora3373:20160722053811j:plain

f:id:aurora3373:20160722054007j:plain

氷河からの雪解け水が小さな滝を作っていた。ロッキーにはたくさん滝があるが、Niagara Fallsを見た今となっては感動が薄いことが予想されたので、敢えて長いトレイルに赴く気になれなかった。

 

 

Banffに2泊、Lake Louiseの近くに3泊した。Banffからだと湖に出るまでに時間がかかるので、この日程で正解。ただLake Louiseの周辺には何もないので、夕食を摂るためにBanffまで出て行く必要があったりして一長一短。我々は米と炊事道具を持参し、おにぎりやお茶漬けを活用して乗り切った。ふりかけや塩があるとさらにbetterだった。味付のりが役に立った。

 

あちこち湖を廻ってBanffに戻り、2日目の夕食はサルファ山Mt. Sulfurの中腹にあるホテルのイタリアンで頂いた。ポークソテー的なものを注文した。1日目の牛ステーキより美味しかったかもしれないし、長い異国暮らしで味覚が麻痺しているのかもしれない。

 

3日目は移動日であり午後から雨の予報だったのでBanff市内を散策した。町を貫いて流れるBow Riverのほとりを歩いていると・・・

f:id:aurora3373:20160723005908j:plain

ん?? ええええっ!

普通にElkがその辺の草むらにいるんですが。バス1台分離れろと何かに書いてあった、巨大な鹿。ジョギング中の人等は特段気にせず通り過ぎたので、もしかしたらBanff市民にとってはありふれた光景なのかもしれない。

3時間くらいぶらぶらして、また来たときにはいなくなっていたので、置物説は否定された。実は中に人が入っていたんだよ、と言われても驚かない。

 

ふたつめの宿は、Lake LouiseのVillage近く、Bow RiverのほとりにあるPost Hotel & Spa。ここはかなり人気が高くて、TripAdvisorでも1位。半年以上前に予約したので安いプランを取れた。ここは午後、1階のロビーでコーヒー・紅茶のサービスがあったりケーキが販売されていたりと、ホスピタリティの感じられる宿であった。

 

f:id:aurora3373:20160725060842j:plain

後半のホテルはPost Hotel Lake Louise。最終日にここのレストランで食べたディナーが一番美味しかったかもしれない (アルバータ牛ステーキ)。料理の写真は一眼+単焦点で撮らないと載せられるレベルに達しない。ホントに何故旅行中に壊れるのか・・・。

 

 

旅行中、天気が悪かった日以外はひたすら湖に繰り出した。上記以外の湖のベストショットを置いておきたい。

Lake Louise

f:id:aurora3373:20160724075928j:plain

iPhone SEで撮影。朝の8時半頃。真ん中に見えるのは氷河。風があまりなく湖面は鏡のようであった。この湖のほとりにある高級ホテル Fairmont Chateau Lake Louise の中にあるデリは宿泊客でなくても利用でき、コーヒー (Latteを頼んだ)やサンドイッチも美味しい。ちょっと高いけど美味しい。

 

Emerald Lake

f:id:aurora3373:20160724103510j:plain

これもiPhone SE。調べたら最近のデジタル一眼レフにはHDR機能もあるらしく、旅行前に買っていたらもっといい写真が撮れたかもしれない。

ここエメラルド湖Emerald Lakeにもカヌーのレンタルがあり、他の湖よりも少し安いらしい。子供が小さいので今回はパスしたが、かなり気持ちよさそうだった。これや山道のトレイルなど、やり残したことも多いので、また5年後くらいに再訪できたら嬉しい*2

 

 

*1:帰ってからの公共交通機関での移動が心配でたまらない

*2:その頃までには下の子の絶叫と上の子のチョロチョロがおさまっていると信じて