当然ながら、研究者の時間の使い方はそのレベルに応じて異なる。
今思うのは、大学院時代にもっと時間をうまく使えば良かったということと、例えばPIなどから見た今の自分はまだまだ時間の使い方に改善の余地があるのだろう、ということである。臨床医も研修医<レジデント<平社員<スタッフ<教員と忙しさの質・量が変わっていくが、基礎の世界も同じ傾向がある。立場だけでなく個々人の能力が大事なのも同じ。
その目で日本人同僚の先生を見ると、時間の使い方が上手だと感心させられる。実験を高密度に組んでいて、毎週何かしらのデータを出し続けている。上にPIがいるとはいえ個人事業者である我々は、自分で短期・中期・長期計画を立ててそれを実現させるためのプランを組まなくてはならず、実験動物や共通試薬・機器のことなど自分でコントロールできない部分もどうしてもあるから、そこに研究者の実力が現れる。
キットを使わないでイチから試薬を作って実験してたときにボスに言われたのが、
Most precious thing is your time, not money.
こう言えるボスは偉いと思ったし、良い環境で実験できていることに感謝しなければ。
自分の研究者人生において大きな影響を受けた人を3人挙げるとすれば、今机を並べているその先生とボス、そして大学院時代の先輩だろう。
いつか結果という形で恩返しができれば嬉しい。